相続財産の中にアパートがあるのですが、そのアパートから入っている賃料は、誰が取得するのですか。

これについては、3つの段階に分けて考えることができます。
① 相続発生前にすでに発生している賃料について
預貯金の形で保管されていますので、平成28年12月19日の最高裁判決のとおり、当然には分割されず、遺産分割の対象となります。

② 相続開始から遺産分割終了までの賃料について
これについては、まず、最終的に遺産を取得した人が取得するのか、それとは関係なく、相続人全員が取得するのか争いがありましたが、後者ということになりました(最高裁平成17年9月8日判決)。

ところで、相続人全員が取得するとして、各相続人が相続分に応じて取得し、当然に分割されて遺産分割の対象にならないのか、それとも、当然には分割されずに遺産分割の対象になるのかの問題があります。

従前は、前者のように考えられていたのですが、平成28年12月19日の最高裁判決によって、後者のように考えることになる可能性が高いと考えられます。

③ 遺産分割終了後の賃料債権について
これは、アパートを遺産分割によって取得した人が取得します。